予定は天気に勝てないってわけか。俺の完璧な計画が一瞬で水に流された件

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朝は最高だったんだよ

今朝、俺は完璧な計画を立てていた。

7月26日、天気予報では「晴れ時々曇り」。

つまり絶好の日だ。

俺に任せろ、と家族に宣言したのは1週間前。

「今週末、ベランダの修繕工事をやる。

防水塗料を塗り直して、雨漏り対策も完璧にしてやる」と。

通販で買った工具セット、防水塗料、ローラーブラシ、養生テープ。

全部揃えた。

YouTube動画も5本見た。

豆知識も仕入れた。

「防水塗料は湿度60%以下で施工するのが鉄則。

乾燥時間も計算済みだ」と、妻に説明したのに「そうなると思っていました」と返されたが、あれは感心の声に違いない。

朝8時、出鼻をくじかれる

準備万端で、朝8時にベランダに出た。

天気予報を確認する。

ん?

「午後から雨」に変わってる。

確認したのは朝5時だったのに、いつの間に更新されたんだ。

不正確な予報システムめ。

大体、気象庁だって完璧じゃないじゃないか。

でも大丈夫だから。

塗料を塗るだけなら3時間もあれば十分。

乾燥時間は24時間必要だけど、今日は施工だけ。

雨が降るのは午後3時からの予報だから、12時までに終わらせれば問題ない。

完璧な計画だ。

午前11時30分、予測不能な敵現る

塗料を塗り始めて1時間経った。

順調だ。

ローラーブラシの使い方も上手くいってる。

リリは「お父さん、なんか楽しそうですね」と言ってた。

あれは褒めてくれてたんだ。

うん、そう解釈する。

そこへ、だ。

空を見上げると、黒い雲がどんどん近づいてくる。

風も強くなってきた。

「おかしい。

予報では午後3時からだったはずだ」と、スマホで再度確認。

「警報:局地的豪雨の可能性あり。

時間帯の大幅な変更」

ふざけるな。

天気予報。

レイカが「そうなると思っていました」とベランダへ。

「予報の変更は4時間ごとにシステムが更新されるんですよ。

朝のデータなんて参考程度。

あと20分で雨ですね」と、涼しい顔で言ってのける。

20分。

残りの面積は、まだ半分だ。

絶望と言い訳

急いだ。

全力で塗った。

ローラーブラシの動きも荒くなった。

「大丈夫だから」と何度も自分に言い聞かせながら、焦りながら、汗をかきながら。

でも、ダメだった。

11時47分。

雨が降り始めた。

まだ3分の2。

計画は失敗した。

すぐさま、俺の頭は言い訳生成モードに入った。

「いや、この雨は予測不可能な気象変動だ。

気象庁のシステムエラーだ。

そもそも局地的豪雨ってのは、科学でも予測できない現象で、これは俺の責任じゃなくて……」

妻は「塗料が流れていますね」と言った。

クロウは、ベランダの塗料の流れ落ちる様子を、何かの記録をするようなまなざしで観察していた。

モザイクは、雨を避けて室内に入ってきた。

コーンビーフを食べろという目で俺を見つめている。

これからどうする

今、工具を全部片付けて、リビングで座ってる。

明日からやり直しだ。

天気予報は「明日は晴れ」。

信用できるかどうかは別だが。

この計画は1週間延期になる。

妻は「そのころまでに、別の予測不可能な事象が起きるんでしょう」と言った。

あれは冗談だ。

多分。

とにかく、天気ってのは俺たちの敵だ。

予報システムの精度が上がるまで、俺たちは待つしかない。

大丈夫だから。

次こそは完璧にやってやる。

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