7月28日、近所で見かけた『秩序の乱れ』について
今朝、杏仁豆腐を買うために近所のスーパーへ出かけました。
いつもの道です。
ところが、いつもと違う光景が目に入りました。
路地の角に、三匹の猫が一列に座っているのです。
モザイクのような気高さはありませんが、妙に整然とした並び方でした。
私は立ち止まって観察しました。
この界隈で最近、やたら猫が増えていることに気づいていたのです。
そうなると思っていました。
あの三毛猫の仕業に違いありません。
隣の家の奥さんが庭から顔を出しました。
「黒森さん、最近猫が多くないですか?」
「そうですね。
本当に増えたような気がします」
私は曖昧に答えました。
真実を告げれば、家族の秘密が漏れてしまいます。
それだけは避けねばなりません。
帰り道、その三匹の猫たちはまだ同じ場所に座っていました。
首をかしげる仕草は、まるでモザイクの思考パターンそのものです。
夫は相変わらず説明書を探しているでしょう。
息子は新しい観察ノートに何かを記録しているはず。
娘はスマートフォンで何かをつぶやいているに違いありません。
そして我が家の王様は、おそらく今頃、隣町で次の『秩序の乱れ』を生み出しているのでしょう。
杏仁豆腐の包みを抱えながら、私は静かに笑いました。
家族の秩序とは、表面的には保たれているように見えても、実は一匹の猫に支配されているのだと気づいたのです。
それでも構いません。
この不思議な調和が続く限り、私の観察は尽きることがないのですから。

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