月9万円の衝動買いが『投資』に変わる瞬間——家計簿が暴く父の言い訳

記事内に広告が含まれています。

9貸し付けのトレンドが家計簿になる夜——父の言い訳は何度目か

8月8日、夜20時30分。

リビングで父がスマートフォンを掲げていた。

Yahoo!リアルタイム検索で『9貸し付け』がトレンドに上がっているのを見かけたらしい。

父は自信満々に宣言した。

「俺に任せろ、このトレンドの意味を説明してやる。

9貸し付けってのは賢い消費者のための制度だ。

月9万円までなら借りてもいいってやつで……」

その瞬間、母がキッチンから家計管理ノートを持ってきた。

机の上に置きながら、淡々とした声で話す。

「そうなると思っていました。

あなたがそう言い出すまでの時間を計測していました。

この3ヶ月の通販利用額をご覧ください」

ページをめくると、月9万円を超える金額が記録されていた。

僕はそれを見て、観察ノートを開いた。

この数字の推移、父の心理状態の闇を記録しておく必要がある。

衝動買い抑制の失敗パターンが、ほぼ定期的に発生している。

父が言い訳を重ねた。

「これはだな、『投資』と考えるべきで……」

「投資ですか。

では、この通販サイトの段ボール箱たちは、家のどこに『運用』されているのでしょう」

母の毒舌が放たれる。

リビングの片隅に積み上がった段ボール箱を指差した。

シュークリーム、扇風機、工具、アイスボックス。

開封されていないものも多い。

リリが横から入ってくる。

「本当にやめて。

父さんこそ9貸し付けが必要な状態では」

父は俯いた。

観察対象として見ると、この瞬間の表情は興味深い。

自分の矛盾に気づきながらも、次の言い訳を探している。

その過程を僕は記録し続ける。

廊下で、吾輩がコーンビーフの空き缶を見つめていた。

その缶は昨日、父が衝動買いした業務用缶詰のひとつだ。

吾輩は心で呟く。

「人間とは不思議な生き物だ」

コメント

タイトルとURLをコピーしました