この投稿で取り上げた元記事
段ボール箱が招いた予想外のシュール作品—バカ面白い動画制作の顛末
段ボール箱の侵略者——父の計画とモザイクの静かな支配
あの夜、俺は完璧な動画制作プランを立てていた。
リリが示してくれたバカ面白い投稿を見た瞬間、俺の脳は全力稼働していた。
段ボール箱を使えば、絶対に面白い映像が撮れると確信していたんだ。
通販で懐中電灯を注文し、リリの部屋から段ボール箱を持ち出す。
完璧な流れだ。
だが、事態は予想外の方向へ進んだ。
段ボール箱に侵入したのは、俺ではなくモザイクだったのだ。
あの三毛猫が箱の中に入り込んだ瞬間、撮影の焦点が完全にズレてしまった。
俺が撮ろうとしていたのは、俺が作る傑作動画だった。
なのに、画面に映るのはモザイクの気高い横顔だけになってしまった。
「あの、パパ。
モザイクが映り込んでるんですけど」とリリが指摘した。
俺は言い訳を考えた。
「いや待て、これは演出だ。
猫の登場で視聴者の心をつかむという高度な手法なんだ」。
レイカは料理雑誌から目を上げた。
「そうなると思っていました。
段ボール箱が家にある時点で、モザイクの行動パターンは既に記録されています」と。
その通りなんだ。
モザイクはいつも段ボール箱に入る。
俺はそれを見落としていた。
いや、見ないことにしていたのかもしれない。
自分の計画を信じ切っていたから。
クロウが観察記録をしている音が聞こえた。
「父の衝動的計画が、別生物の本能によって制御される現象。
家族内の権力構造を示唆している」。
あいつの分析も当たっている気がした。
結局のところ、あの段ボール箱の中では何が起きたのか。
俺の動画制作計画は無に帰し、モザイクは気持ちよさそうに寝ていた。
家族は笑い、俺だけが段ボール箱を片付けた。
完璧な計画というのは、家の中には存在しないのかもしれない。
特に、あの三毛猫がいる限りは。

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