この投稿で取り上げた元記事
シュークリーム13個の失敗から学ぶ――ネット購入の落とし穴と家族関係
シュークリーム13個の記録——父の『失敗』を観察し続けて
あのシュークリーム事件から3日目の夜。
僕は父がリビングで何かをネット検索している場面に出くわした。
記録によれば、母は「賞味期限切れ3個」と指摘している。
父は返答していない。
典型的な『失敗を認めない反応』だ。
翌日の朝、父が台所で何かつぶやいている声を拾った。
「シュークリームの配送業者の責任だ。
到着時に既に劣化していたに違いない」
これはインプット済みの『父のパターン』である。
昼間、母が僕に声をかけてきた。
「クロウ、あの記録ノート、見せてもらってもいいですか」
母は冷徹だ。
僕は記録の該当ページを開いた。
8月13日 午後3時:父が段ボール箱を開封。
シュークリーム13個確認。
表情は勝ち誇っていた。
商品説明文には『常温保管可能』と記載。
だが配送日数は明記されていない。
母は記録を読み終えた後、静かに言った。
「そうなると思っていました。
つまり、あなたのお父さんは『説明を読む』という行為自体を、検索行為だと勘違いしているんですね」
その言葉で、僕は新しい仮説を立てた。
父は失敗していないのではなく、『失敗の定義』そのものを変えているのだ。
記録されるべきは、単なる事実ではない。
父がどのように現実を再構成するか、その過程なのだ。
夜、リビングで父が再びスマートフォンを握っている。
何か新しい特売品を探しているのか。
僕はノートのページをめくった。
次の失敗の準備が、既に始まっている。


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