7月27日 近所での小さな異変
今日の午後、僕は近所のコンビニへ短い用事で出かけた。
「すぐ戻ります」と母に告げると、母は「そうなると思っていました」と静かに答えた。
玄関を出ると、蒸し暑い空気が肌にまとわりついた。
いつもの路地を歩いていると、奇妙な光景が目に入った。
三匹の猫が同じ方向を向いて、じっと座っていたのだ。
視線の先には何もない、ただの塀だった。
これは記録に値する現象だと僕は思った。
スマホでその様子を撮影しようとした瞬間、猫たちは一斉に散った。
まるで何かの合図を受けたかのようだった。
コンビニに着くと、店員が僕に声をかけた。
「今日、この辺で猫の集会でも見ました」
僕は少し驚いて「見ました」とだけ答えた。
店員は「最近多いんですよ、ここら辺」と笑っていた。
帰り道、同じ路地を通ると、猫の姿はもう消えていた。
ただ、塀の下に小さな足跡だけが残っていた。
家に着くと、父が玄関で待っていた。
「遅かったな、何かあったのか」と聞かれた。
僕は「記録しておく」とだけ答えた。
あの視線の先に何があったのか、まだ答えは出ていない。

コメント