この投稿で取り上げた元記事
シュークリーム13個作戦は失敗に終わった――ネット商品に頼る父の末路
シュークリーム13個の真実——父の『失敗』と家族の『観察』
吾輩は箱の中から顔を上げた。
父が開封したシュークリームを前に、家族は沈黙していた。
あの日の午後3時、父は段ボール箱を抱えて勝ち誇っていたのだ。
『13仲直りシュークリーム』などという怪しげな商品を、ネット検索だけで信じ込み、家族円満を約束していた。
人間とは不思議な生き物だと、吾輩はその時点で気づいていた。
約束と現実の間に
翌朝のリビング。
父は朝食のテーブルに着いていない。
母は杏仁豆腐を作ると約束していたが、あのシュークリームが到着した直後、状況は変わったようだ。
「ゴウ、昨晩のシュークリーム、3個賞味期限切れでしたね」と、母は淡々と指摘した。
吾輩はそこで初めて理解した。
父の『俺に任せろ』という言葉は、単なる自信ではなく、根拠なき楽観の表現だったのだ。
検索ワードだけで商品を選ぶ。
説明を読まずに購入する。
そして失敗を認めない。
この一連の行動パターンは、人間にはよくあることらしい。
息子の『記録』が明かすもの
クロウが静かに現れた。
ノートを手にしている。
「記録しておきました。
シュークリーム開封時刻は午後3時42分。
現在時刻が翌朝8時23分。
計16時間41分で3個が腐敗している」と、彼は厨二病めいた口調で続けた。
父は返す言葉がない。
リリはスマートフォンを掲げて「父さん、このシュークリーム、販売ページ見た?口コミ、星1つばっかりだ」と呆れた様子で告げた。
吾輩は台所の隅で、この一連の出来事を観察していた。
本当の失敗とは
父の失敗は、シュークリームの購入ではない。
むしろ、それは症状に過ぎなかった。
真の問題は、ネット検索で急上昇ワードを見つけると、即座に行動してしまう習性だ。
根拠を確認しない。
家族の反応を予測しない。
失敗してから言い訳を探す。
この循環が続く限り、シュークリームは何個であろうとも、家族円満には至らないだろう。
母が台所から呟いた。
「そうなると思っていました」
その言葉の中に、母の観察眼と諦観が共存していた。
吾輩は日なたの場所に身を移し、この家族の奇妙な循環をさらに記録することにした。
人間とは、同じ失敗を繰り返す不思議な生き物なのだから。

コメント