16ヴォラキアの急上昇が招いた、流行への焦燥と家計管理の衝突
夜20時30分、俺はリビングのソファでスマートフォンを握っていた。
Yahoo!リアルタイム検索を眺めていると、「16ヴォラキア」が急上昇ワードに上がっているのを発見した。
俺は即座に声を張った。
「16ヴォラキアってやつが流行ってるらしい。
俺に任せろ、大丈夫だから」通販サイトを開き、関連商品を検索し始めた。
グッズの種類は想像以上に豊富だ。
その時、クロウが静かに近づいてきた。
「記録しておく。
それは都市伝説系のアニメです。
僕はインプットしていました」彼は画面を見ずに、淡々と言い放った。
なんだ、お前が知ってたのか。
親として情報は先に俺が得るべきだと、俺は心の中で反発した。
しかし表情には出さず、「そうか、詳しく説明してみろ」と返した。
リリが背後から身を乗り出した。
「うわ、父さん、また関連グッズ買おうとしてる。
本当にやめて」彼女はスマートフォンの画面を覗き込み、通販カートに入った商品を数えた。
レイカが台所から声を発した。
「そうなると思っていました。
あなたは情報より衝動が先ですから」彼女の毒舌は、俺の焦燥感を正確に刺してきた。
俺は言い張った。
「家族分揃えるのはいいだろう。
教養だ」通販カートには5点のグッズが入っていた。
レイカはスマートフォンを手にした。
「不要な衝動買いです」一瞬で、5点すべてがカートから削除された。
俺は反論した。
「後で自分の小遣いで買う」クロウが冷たく言い放った。
「父さんの自分の小遣いというのは大体2週間で消えます。
記録済みです」
商品ページは開きっぱなしのまま、夜23時に全員が寝室へ向かった。
流行に乗り遅れまいとする焦燥感と、自分の判断を正当化したい見栄が、現実の家計管理の前で、一時的に静かになっただけだ。

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