岩井コスモ証券が急上昇、リビングで繰り広げられた家族の投資論争

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証券会社の手数料構造という名の家族会議

リビングのノートパソコンの前で、父が身を乗り出していた。

夜19時30分、急上昇ワードで「岩井コスモ証券」が浮かんでいるのを見つけたらしい。

「見ろ、岩井コスモ証券だ。

俺に任せろ、家の資産も増やせる」
父の声は自信に満ちていた。

ノートパソコンの画面には、証券関連の記事が映り込んでいる。

父は椅子に座ったまま、豆知識を披露し始めた。

「証券会社なんて簡単だ。

手数料の仕組みを知ってれば、どこが得かすぐわかる。

俺は詳しいんだぞ」
その言葉を聞いて、私はスマートフォンを手に取った。

SNSで投資失敗の事例を検索する。

典型的なパターンばかりだ。

「父さん、これ見て」
私は画面を父に突き付けた。

投資初心者が手数料で損する事例が並んでいる。

父の表情が一瞬曇ったが、すぐに言い張った。

「そんなのは素人の失敗だ。

俺は違う」

母がテーブルから視線を上げた。

「そうなると思っていました」
その一言が、家族全員に重くのしかかった。

冷徹さの塊のような返答だ。

長男がノートを取り出した。

「記録しておく。

家計危機のインプット。

発生時刻19時35分」
淡々とした声で、ペンを走らせている。

父の言葉は、彼にとって怪奇現象のようなものなのだ。

モザイクがリビングの隅でコーンビーフの空き缶を蹴飛ばした。

カタンという音が室内に響く。

「人間とは不思議な生き物だ」
猫の心の声が聞こえるような気がした。

父は言い訳を重ねていた。

「いや、俺はちゃんと勉強してるんだ」
その声の後ろに、認めたくない悔しさが隠れている。

本当にやめてほしい。

この家族のパターンは何度も繰り返されている。

母が続けた。

「失敗しても、私が家計簿で記録しておきますね」
その言葉の刺さり方が、父を完全に沈黙させた。

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