『7Performance Video』の再生速度——夫の自信と妻の冷徹な観察
午後3時30分、リビングのソファに座る私の手元には杏仁豆腐のデザートがまだ残っていた。
リリがスマートフォンを掲げた。
「ママ、『7Performance Video』が急上昇してるんだけど、新しいダンスパフォーマンスが流行ってるらしいよ」と話しかけてきた。
夫は即座に反応した。
「7Performance Video?俺に任せろ、ノートパソコンで見てやる」と言い張り、ダイニングテーブルの隅にあるパソコンを起動させた。
私は観察を続けた。
クロウは自分のスマートフォンを取り出した。
「記録しておく必要がある。
動画サイトで検索する」と呟き、画面に視線を落とした。
夫のパソコンが唸った。
古いマシンは起動に時間をかけ、やがて動画再生ページにたどり着いた。
だが映像は途中で止まる。
バッファリング表示が何度も現れた。
「接続が悪いだけだ。
大丈夫だから」と夫は言い張った。
私は台所に立ち上がり、コーンビーフの缶詰をペット用の皿に出した。
モザイクが高い棚から降りてきて、器用に缶詰の中身を舐め始めた。
結局、クロウのスマートフォンで動画は再生された。
鮮明な映像が映った。
だが夫は不満を口にした。
「俺が見せると思ったのに」と呟いた。
私は冷徹に指摘した。
「そうなると思っていました。
インターネット回線の設定を確認されてはいかがですか」と述べた。
夫の見栄が傷ついたのが明らかだった。
モザイクはコーンビーフを完食し、高い棚に戻って目を閉じた。
私は台所で皿を洗いながら、この光景がいかに繰り返されているか思い出していた。
ただし、クロウが動画を『記録』と呼び、その映像を怪奇現象のように分析し始めるのは、いつもより念入りに見えた。

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