親のふるさと納税、計算ミスは三年連続だった——母の家計簿が暴露した現実
夜20時30分、リビングのテレビではふるさと納税の還元率改正についてのニュースが流れていた。
父がノートパソコンを開いた。
「俺に任せろ、このシステムなら家族の税金を大幅削減できる」
自信満々な父の声が響く。
私はソファの角に座りながら、その表情を観察していた。
いつものパターンだ。
何か急上昇話題を見つけると、父は必ず家族会議を始める。
母は家計簿を手に取った。
「昨年度のふるさと納税の記録を確認しましょう」
その声は淡々としていたが、私にはわかる。
母は既に計算済みなのだ。
父が納税額を言うと、母は記録と照らし合わせた。
「ゴウ、これは去年の限度額ではありません」
父の顔が赤くなる。
いや、これは確定申告の時期だからまだ計算中だったんだ、と言い訳が飛び出した。
その瞬間、リビングの奥からクロウが静かに現れた。
「記録によると父さんは三年連続で限度額を計算ミスしている」
クロウの淡々とした指摘が、リビングの空気を凍らせた。
私はスマートフォンを取り出し、SNSのトレンドを見せることにした。
「親のふるさと納税でもめる家族多すぎ笑」
その画面を父に突き出すと、彼の顔がさらに赤くなった。
母は返礼品の話を切り出した。
米と工具セットは必ず得する、という父の主張に対して、母は保冷送料と保管場所の家賃を計算に入れていないと指摘した。
父の論破が得意なはずなのに、母の現実的な計算の前では何も言い返せない。
結局、母が全ての計算を引き継ぐことになった。
父の提案は却下される。
つぶやく言葉は「来年こそ俺が…」だったが、家族全員が無視した。
母の計算能力には感心した。
同時に、父のようにならないために、私は今から資産管理を学ぶべきだと思った。
親世代のIT活用ってこんなにダサいのか。
でも、この家族で最も信頼できるのは、やはり母の家計簿なのだ。
モザイクは邪魔した後、コーンビーフをねだった。
唯一、この家族で合理的な存在だ。

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