14日本中の節約術トレンドで、俺の自信が崩れた夜
夜21時30分、リビングのソファでスマートフォンを握っていた。
Yahoo!リアルタイム検索を開くと『14日本中の節約術トレンド』が急上昇ワードになっていた。
俺は家族に家計簿アプリをパスして、身を乗り出した。
「見ろよ。
節約術が話題になってる。
俺に任せろ、節約の極意なら知ってるぞ」。
自信満々に家族会議を開いた。
レイカは台所から目を上げない。
リリはスマートフォンをいじっている。
クロウは段ボール箱の側で何やら記録している。
その場でスマートフォンを操作し、通販サイトを開いた。
『14日分の激安食材セット』という広告が目に飛び込んできた。
配送料無料、割引率70%。
俺は躊躇なくクリックして決済ボタンを押した。
「月5万浮く。
大丈夫だから」。
そう宣言した直後、レイカが厨房から声をかけた。
「計画なしの衝動買いは、節約と真逆です」。
冷たい声だった。
俺の舞い上がりが一瞬で下がる。
リリがスマートフォンの画面を笑顔で父親に見せた。
「これSNSに上げていい?『うちの父、節約トレンド乗っかって余計に散財してる』って」。
本当にやめて、とは言えなかった。
クロウは段ボール箱のそばに家計簿を置いた。
「記録がすべてを物語る。
インプット完了」と、謎めいた声で呟いた。
子どもたちまで俺の失敗を記録している。
翌日、段ボール箱が届いた。
賞味期限を確認すると、14日で消費できない商品ばかりだった。
レイカが淡々と言う。
「無駄を増やしただけですね」。
俺は「長期保存の勉強になる投資だ」と言い張ったが、結局リリと一緒にフリマアプリで売却した。
今、スマートフォンを握りながら、次の言い訳を組み立てている。
節約術の話題は、もう見たくない。

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